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IPOを狙う企業特集

株式会社ネットマーケティング 代表取締役社長 宮本 邦久

ミッションは“New Value”世界への道を切り拓く

※下記はIR通信【IPO特別号】(2014年1月10日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―今後の市場環境をどうみていますか。

宮本:広告事業では、クライアントのニーズが非常に高まっているという手ごたえがあります。広告のパフォーマンスへの優先順位が相当に上がっていて、最大限の成果を出せるように効果的なマーケティングを実施したいという要望が高まっているからです。ネット広告の分野では、アフィリエイトに対する細かな戦略的マーケティングの立案能力が求められています。当社がもつ専業ならではのノウハウが市場のニーズを満たすことにつながるのです。アフィリエイトが広告全体の5割以上を占めるようなクライアントにとって、私たちのようなエージェンシーの果たす役割が重要なことはもちろんです。一方で、大企業はアフィリエイトが全広告の数%しかないところが多い。でも、その大企業から仕事を依頼される大手広告代理店は、専門のノウハウが必要なアフィリエイトについては専業である当社に発注する。このため、広告事業は今後も伸びていくことが予想されますね。今後はアフィリエイトエージェントで培った知見をもとに、アドネットワーク分野のエージェントに進出するなど、運用型広告におけるプロフェッショナル集団をめざします。

―そうした広告事業の利益が新事業を生み出すことにつながったわけですね。

宮本:ええ。2014年6月期の予想売上高は60億円を見込んでいます。4年前の14億円から急成長を遂げることができました。これは事業の2本柱が確立し、成長にドライブがかかった結果です。広告事業で稼いだ利益を新規事業に再投資したことが奏功して、上場できるスケールに成長できたとともに、その後の戦略も描きやすくなりましたね。

―将来のビジョンを聞かせてください。

宮本:私が次の事業の柱として考えているのは、若手起業家の育成です。20代で起業して、30代で上場を果たす。そんな私たちの目標と同じ道をめざす若い経営者を育てていきたい。具体的には、起業する若者自身にも株式を保有してもらい、数億円単位の規模で事業を立ち上げてもらう。そんなオーナーシップをもった起業家支援を考えています。日本になかった新しいベンチャーキャピタルモデルで、若者の力を存分に引き出し、この国のビジネスシーンを変えていきますよ。

―両社ともIT分野で世界市場をめざすことを宣言していますね。どのようなきっかけでグローバル展開を考えたのですか。

宮本:当社が提供するマッチングサービスの「Omiai」は、もともと海外での展開を前提に立ち上げたビジネスなんです。日本での事業展開は、そのテストマーケティング的な位置づけ。というのも、「Omiai」はFacebookのプラットフォーム上に乗せたアプリケーションだからです。Facebookのユーザーは日本では2,000万人。でも世界を見渡せば、11億人です。グローバル展開は必然の流れでしたね。

國光:私は高校を出てから約4年間、上海に留学。その後10年ほど、中国や東南アジア、中南米などをバックパッカーとして放浪していました。そこから帰国して感じたのは、中国をはじめアジア諸国が元気になるなか、日本だけが沈んでいること。少子化が進む日本を見て、「もはや衰退は避けられない」と。そうであれば、海外に出ていくしかない。これからは新しい産業が世界に出ていくべきで、それが自分の役割だと思いましたね。誰かが海外に出て成功すれば、日本が再び元気になる。野球界における野茂や新庄、サッカー界における中田が多くの日本人を勇気づけたように。

―「ゲーム」と「マッチング」。それぞれの分野の海外における市場環境を教えてください。

國光:当社のゲーム事業はいま海外で非常に伸びています。それは、2つの大きな革命があと押ししているからです。ひとつはスマートフォンとタブレットの普及。従来の家庭用ゲームでもっとも売れたのはソニーのPS2で約1億5,000万台です。でも、スマホとタブレットの現在の普及台数は世界で約30億台。つまりゲームをプレイできる機器をもつ人があっという間に激増したわけです。もうひとつはインターネットによるゲームの新たなビジネスモデルの出現です。4,000円ぐらいでソフトを買う家庭用ゲームから、基本は無料で、ちょっとアイテムが欲しいときだけお金を払えば楽しめるネットゲームへと変わった。これに支えられて市場が急拡大しているのです。

宮本:マッチングサービスは、アメリカではもはや社会インフラといえるぐらい普及しています。アメリカの既婚者に配偶者との出会いについて聞くと、1位は職場で2位がマッチングサービスなんですよ。一説には、8人に1人がマッチングサービスを利用して結婚しているといわれています。こうした状況を考えれば、新たな価値をつけたマッチングサービスを世界に提供するのは、ごく自然なことなんです。

―海外展開の具体策について教えてください。

宮本:アメリカには1億6,000万人のFacebookユーザーがいる。だから、ゆくゆくは北米マーケットをねらいたい。ただ、最初のターゲットはアジアにしようと考えています。とくに台湾ですね。すでに準備を進めています。台湾は人口2,300万人の60%がFacebookユーザー。韓国の16%と比べても突出して多いからです。

國光:それがいいと思います。台湾はローカルベンチャーもそれほど強くないですから。中国や韓国、そしてタイやインドネシアなどの東南アジアもいい。日本と文化が似ていて、嗜好性も近いから勝算が相当にあります。一方、ベンチャーの進出先として、欧米は手ごわいと言わざるを得ない。未上場で時価総額2,000億~3,000億といった企業がごろごろしていますから。そのなかで日本のベンチャーがいきなりのし上がるのはなかなか大変です。

宮本:アジア圏のARPU(注1)についてはどうみていますか。

國光:まったく問題ないですよ。よく国民一人当たりのGDPの低さを懸念する人がいますが、たとえば中国で日本人なみの所得がある層は1億人を超えている。台湾やタイ、インドネシアにしても富裕層がいて、購買意欲は日本よりも旺盛なんです。

宮本:なるほど。海外拠点の社員は現地採用ですか。

國光:ええ。海外で勝って売上をあげるには、徹底的にローカライズしてカルチャライズした商品を市場に出す必要がある。また、国によって必要なマーケティングの手法も違う。だから、現地に精通したスタッフは不可欠ですね。

(注1)ARPU:Average Revenue Per User。ユーザーひとりあたりの平均売上金額。

―海外戦略を中心に、今後のビジョンを聞かせてください。

國光:韓国、シンガポール、中国、台湾などアジア6ヵ国・地域での拠点固めができたいま、北米市場に打って出るフェーズに来たかなと。アジアと仲良くして足場をしっかりと固めて、いよいよアメリカでの決選ですね。

宮本:PC版からスタートした「Omiai」は、昨年にアップル版、アンドロイド版を出して、売上比率は2:1:1とPCを超える勢いです。スマートフォンとタブレットの世界的な普及の波に乗り、グローバル展開を一気に加速させたい。アジアを皮切りに実績をつくったあとは、サービスをいっそう充実させて、本丸のヨーロッパやアメリカで勝負したいですね。

宮本 邦久(みやもと くにひさ)プロフィール

1975年、熊本県生まれ。1998年に慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、日商岩井株式会社(現:双日株式会社)に入社。2000年に社内公募制度を利用して、ITX株式会社へ転籍。海外・国内のベンチャー投資を担当。2004年に独立して株式会社ネットマーケティングを設立、代表取締役に就任。アフィリエイト広告のプロフェッショナルとして確固たる地位を築く。2012年にリリースしたマッチングサービス「Omiai」がヒットし、注目を集めている。

企業情報

設立 2004年7月
資本金 1億3,682万円
売上高 47億円(2013年6月期)
従業員数 80名
事業内容 アフィリエイト広告事業、スマートフォン広告事業、メディア事業
URL http://www.net-marketing.co.jp/

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