上場企業と投資家をつなぐ
成長企業の経営戦略が読める情報誌
上場企業インタビュー

株式会社エムビーエス 代表取締役 山本 貴士

業界の常識を覆した特許技術で日本列島をリフォームする

ビジネスコンテストと台風が技術力を証明

―上場した2005年当時の御社は、従業員数20名に満たないベンチャー企業でした。なぜIPOを実現できたのでしょう。

 当社の技術が、広く認知・評価されたのが大きな理由でしょう。現在もそうですが、本社を構えているのは山口県宇部市。規模も小さいうえに地方とあっては、なかなかPRするのは難しい。事業を始めた当初は、技術やビジネスモデルに自信があっても銀行融資もなかなかおりないため、市場の開拓にも苦労しました。
 そこで、権威のあるところからお墨つきを得ようと、さまざまなビジネスプランコンテストに参加したんです。なかでも大前研一氏が主催したコンテストで高く評価され、最多得票を獲得。そこからファイナンスや販路開拓もスムーズに進むようになりました。
 さらに、上場直前の2004年。2つの大きな台風が中国地方を直撃したことが、図らずもIPOを後押ししました。当社が施工した外壁が耐久性に優れていることが実証されたのです。強制的に(注1)暴露試験をされたようなものでしたが、結果として当社の信用度がより高まりました。

―事業拡大のために、本社を首都圏に移す地方企業も多いなか、現在も山口県を拠点としているのはなぜですか。

 地元に貢献したいからです。上場したとはいえ、当社は、まだまだ小規模の会社。現時点で本社を移動するメリットは少ない。ならば、当社の成長を支えてくれた地元のパートナー企業や住民の方に報いようと。利益を出して、税金を納めることで恩返しができればと考えています。
 また、もっと地元発のベンチャーが誕生すれば、衰退が進む地方が息を吹き返し、日本の活性化につながることを当社で証明したいという想いもあるのです。

日本中の建物とインフラの耐久性を高めていく

―今後のビジョンを教えてください。

 まず、2022年までに全国で50拠点を展開するのが目標です。それで47都道府県を網羅し、自社のサービスを広めていきます。
 また、「スケルトン工法」をさらに伸ばしたい。まだ売上は全体の約1割ですが、4割くらいにまでもっていきたいです。公共事業をサポートするこの事業は社会的意義も高く、どんどん引きあいも増えている状態ですから。「ホームメイキャップ工法」で住宅や建物、「スケルトン工法」で交通インフラの耐久性を高めることで、当社の掲げる「列島リフォーム」のビジョンを実現させたいです。

塗布型における透明コンクリートの補強工法ではすでにシェアNo.1を獲得

代表の山本氏がまだ建築工事現場の足場を組む事業を手がけていたときのことである。あるリフォーム現場で足場を片づけていると、施主からクレームを受けたという。「思ったような仕上がりになっていない」と。親切心でそのことをリフォーム業者に伝えると「やり方は変えられない」の一点張りだった。じつはこのケース以外にも、施工に対して不満をもっている施主は少なくなかった。山本氏はそのミスマッチを見逃さず、ビジネスの勝機を見いだしたのである。
 以前の建設業界はスクラップ&ビルドが一般的だったが、エコロジーやエコノミーの観点から「いまあるものを長く大事に使っていこう」という考えが主流になっている昨今。エムビーエスのビジネスモデルは、ますます時流に乗っていく可能性が高い。
 とくに注目されているのは「スケルトン工法」。まだまだ売上は少ないものの、塗布型における透明コンクリートの補強工法ではすでに国内シェアNo.1を獲得している。昨年に政府が閣議決定した国土強靭化基本計画。大規模な自然災害に備えた強靭な国土づくりを進めていこうというこの取り組みも追い風となるだろう。同社の「列島リフォーム」も決して不可能なビジョンではない。

山本 貴士(やまもと たかし)プロフィール

1972年、山口県生まれ。カーディーラー勤務を経て、1993年に足場業を創業。1997年に有限会社アクアビギを設立し、代表取締役に就任。翌年に有限会社エム・ビー・エスに商号変更し、外壁リフォーム業を開始する。2001年に株式会社エムビーエスに組織変更し、2005年に福岡証券取引所「Q-Board」に上場。オンリーワンの特許技術を武器に、地元山口県から全国展開を目指している。

企業情報

設立 1997年6月
資本金 1億8,501万2,000円(2014年1月現在)
上場年月日 2005年4月26日(福岡Q-Board)
決算期 5月末
事業内容 住宅および諸建造物の外装リフォーム全般、住宅および諸建造物の内装リフォーム全般、その他リフォームに関するコンサルティング、機能性塗料の開発および販売、建築工事業
URL http://www.homemakeup.co.jp/

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

IR通信

IR通信

IR通信は上場企業と投資家をつなぐ「成長企業の経営戦略が読める情報誌」です。

定価:1,066円(税込)

IR通信への掲載・取材希望の方

IR通信編集部では、"成長企業の経営戦略を読む"というテーマのもと紙面に登場いただける経営者の方を募集しております。

pagetop