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IPO・IR支援企業

プロジェクト・オーシャン株式会社 代表取締役 早川 智也

若い世代の優秀な女性の力を活かし コーポレートガバナンスを強化せよ

監査役といえばシニア世代の男性が大半。だが、若い経営陣が新しい事業に挑むベンチャーには不向き。そこで「会計士・弁護士などの資格をもつ女性に注目するべきだ」プロジェクト・オーシャン代表の早川氏はそう指摘する。同氏はITベンチャーのIPOやM&A支援で豊富な実績をもつ。女性の監査役を迎えると、会社はどう変わるのか早川氏に聞いた。

※下記はIR通信vol.1(2014年8月22日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

スマホをもっていないシニアでは ITベンチャーの監査はできない

―上場をめざす企業がぶつかりがちな壁はなんでしょうか。

 上場企業にふさわしいコーポレートガバナンスを整えようとしたとき、常勤監査役のポストにふさわしい人が見あたらず、困っている企業が多いですね。
 一般的には、主幹事の証券会社や契約している監査法人などから紹介してもらう。でも推薦されるのは、その証券会社・監査法人のOBや上場会社の役員を務めて退任した人材。シニアの男性がほとんどです。監査役は「リタイア後のポスト」というイメージが強く、現役世代で監査能力をもつ人材に敬遠される傾向があるからです。

―経験豊富な人材なのだから、適任ではないのですか。

 いいえ。とくに問題なのはITベンチャーの監査役の場合。最先端のテクノロジーをあつかい、経営陣は若い。シニア世代の監査役としばしばギャップが生じています。
 たとえば、スマホアプリの会社の監査役がスマホをもっていない。これでは事業上のリスクを指摘できるはずがない。また、インターネットを介したスピーディな受発注をしている会社に、「紙の書類をきちんとそろえるべきだ」と提言する。そんなことがひんぱんに起きています。

―ギャップを埋める手だてはありますか。

 ひとつの解決策が、現役世代で会計士や弁護士の資格をもつ女性を選任することです。結婚や出産、育児といった事情で長時間労働はできないが、「知識と経験を活かして働きたい」と考えている女性は多い。
 監査役や社外取締役は、こうした女性が活躍する場としてふさわしい。能力に不足はなく、若い経営陣と同世代なのでギャップも少ない。それに、男性が多いベンチャーの役員会に女性が入ることによって、企業が活性化される効果もあります。

―どんな変化が起きるのでしょう。

 役員会の議論が活性化するのです。ベンチャーでは経営陣が創業以来の仲間で構成されているケースが多い。シニア世代の監査役はITをはじめとする話題についていけないので、議論にくわわろうとしない。すると、内輪の論理だけで議論が進んでしまうこともある。
 そこへ現役世代の監査役が入ってくると、事業戦略や社内体制の細かいところまで関心をもち、質問を投げかけてくる。経営陣は自分たちの経営判断の根拠をつねに説明しなくてはいけない。そのことで、改めて「この方針はリスキーではないか」といった反省ができるんです。
 また女性は、子どもをもつ母親として、より一般社会の常識に近い提言もしてくれます。「利益追求一辺倒で、福利厚生の整備がおろそかになっている」といった具合です。

―役員候補の女性を探す方法を教えてください。

 私たちは今年7月、「女性役員・jp」を立ち上げました。弁護士・会計士の資格をもつ女性と、監査役や社外取締役を探している企業が登録。マッチングするWebサイトです。IPO支援の現場で感じた問題を解消したかったことにくわえ、アベノミクスによる成長戦略の重点項目のひとつ「女性の活躍推進」に貢献したいという想いからスタートさせました。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

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