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株式会社あしたのチーム 代表取締役社長 高橋 恭介

深刻化する人材不足と早期離職「人事評価制度」という救世主

いま、多くの中小・ベンチャー企業が人材を取り巻く2つの問題に直面している。人手不足と離職者の増加だ。一部では「人手不足倒産」も顕在化しつつある。早急に課題解決しなければ、業績への影響はもちろん、健全な企業活動の継続すら支障をきたしかねない状況なのだ。そこで、中小・ベンチャー企業の雇用情勢について詳しいプロフェッショナルである「あしたのチーム」代表の高橋氏に取材。中小・ベンチャー企業が検討すべき人事・人材戦略の姿を追った。

※下記はIR通信vol.4(2016年2月2日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

採用難と離職率の高止まりに直撃される企業が増加

まず、労働市場の状況を客観視してみよう。

 昨年12月末に厚生労働省が発表した有効求人倍率(季節調整値)は1.25倍。これは1992年1月以来、23年10ヵ月ぶりの高水準だ。さらに雇用の先行指標となる新規求人倍率は、前月比0.1ポイント上昇の1.93倍。こちらも24年ぶりの高水準だ。景気の回復傾向にともない、雇用状況の「超売り手市場」に拍車がかかっているのだ。

 もうひとつ、見過ごせないのが人材流動化の高まりだ。厚労省の雇用動向調査によれば、2014年1年間の離職率は15.5%。リーマン・ショック以後では、2013年から2年連続で15%台を記録中だ。

 こうした求人倍率上昇のもとでの離職率増は、よりよい条件を求めて会社を選別する動きが高まっていることを示唆している。その影響をもっとも受けているのが、中小・ベンチャー企業だろう。たとえば、
中小企業・小規模企業における3年目社員の離職率は、新卒・既卒ともに30~50%台の高水準となっている。

 景気回復の恩恵をえられるのが大企業の後になる中小・ベンチャー企業では、労働条件や労務環境の整備・改善に着手できるタイミングはどうしても後ズレしがちだ。しかし、このまま手をこまぬいていれば、人材不足による売上減、という最悪のスパイラルに陥りかねない。

社員の7割がもつ「不満」の解消にこそチャンスあり

 こうした苦境を打開する大きなヒントになりそうなのが「人事評価制度の見直し」。なぜなら、多くの〝働き手〟が、人事評価制度に不満を表明しているからだ。「不の解消」は自社の魅力を上げるチャンスでもある。

 中小・ベンチャー企業を対象に人事評価の構築・運用サービスを提供している「あしたのチーム」が従業員300名未満の企業を対象に実施した調査では、自社の人事評価制度について「満足していない」「あまり満足していない」との回答率は71.6%。じつに7割以上の従業員が不満をもっていることがわかる。さらに、65.5%の従業員が「人事評価制度の見直しが必要だ」と回答している。

 では、人事評価制度のどこに不満がもたれているのだろうか。あしたのチーム代表取締役社長の高橋恭介氏は「給与と頑張りの連動がないこと」と指摘する。

「だからといって給与を一律に上げることは、経営的にも難しく、またすべきではありません。根拠やロジックもなく給与を上げてしまうのは、社員のモチベーション低下につながるからです。逆に、納得できる評価制度があれば、給与を下げても社員のモチベーションは向上します」(高橋氏)

発足した専門シンクタンク「あしたのチーム総研」

 社員のモチベーションを上げる人事評価制度を構築・運用するためには、時代の変化をキャッチアップすることも重要。しかし、大企業偏重の弊害で、中小・ベンチャー企業の雇用環境については、その基礎データや課題解決の方法を探る客観レポートなど、基礎資料が不足しているのが実情。これでは、適切な人事評価制度は構築・運用しにくい。そこで、あしたのチームでは中小・ベンチャー企業の人事評価や人材市場の調査・研究を行うシンクタンク「あしたのチーム総研」をこのほど設立した。

 求人広告に投資しても人が集まらない、採用できてもすぐに辞められてしまう――。適切な手を打てば、こうした負の循環を断ち切ることはできる。それによって、優秀な人材が集まり、好不況の環境変化に左右されない強い会社をつくることも可能になるのだ。

 その具体的な方策について、次ページ以降であしたのチームの高橋氏にインタビューした。

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