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IPO・IR支援企業

有限責任 あずさ監査法人 企業成長支援本部 企業公開部 部長 パートナー/公認会計士 阿部 博

IPO市場の潮流変化と 企業成長の新しいあり方

「アベノミクス」による市場環境の改善などをきっかけに、着実な回復を続けているIPO市場。しかし、その底流では日本経済の将来をも左右する大きな地殻変動が起きつつある。多くの上場支援実績があるあずさ監査法人で企業成長支援本部部長を務める阿部氏に、IPO市場と資本市場のこれからを聞いた。

※下記はIR通信vol.1(2014年8月22日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

今後の主役は 初めて上場をめざす企業

―今年1~6月までに上場した企業は26社。上期としては7年ぶりの高水準となりました。この傾向は今後も続きそうですか。

 下期はさらにIPO案件が増加し、通年では昨年の58社を上回る70社以上に達するという見方が多いですね。来年は100社を超えそうとの声もあり、さらなる盛り上がりを見せそうです。
 IPO市場の活況をけん引している要因のひとつは好調な株価ですが、それだけではありません。IPOに取り組む企業の変化も大きな要因です。じつは、ここ1~2年内の新規上場案件には、リーマン・ショックによる株価低迷や不況の長期化でIPO準備の中断を余儀なくされ、いわば2度目のチャレンジで上場を実現した企業が多かったのです。そうした企業にはIPO実務の経験があるため、株価が回復基調に転じるとすみやかに準備を再開したのです。

―この間のIPO市場の復調は、再チャレンジ組の企業が主導してきた側面があるのですね。

 ええ。しかし、最近の傾向として、初めてIPOに取り組む企業の新規上場案件が急速に増えています。過去にIPOに取り組んだ経験のある企業の上場は今年下半期から来春にかけてほぼ一巡し、その後は新規案件がIPO市場の主役になるでしょう。
 また、上場をめざす企業の業種などが変化していることも、IPO市場を活性化させています。

IPO市場のすそ野が拡大

―具体的には、どのような変化が起きているのですか。

 これまではIT関連やアプリ開発などに偏っていた新規上場企業の業種が、製造業や小売業といった伝統的な産業にも広がっているほか、新規上場をめざす地方企業も増加。業種や地域が多様化しており、IPO市場のすそ野が拡大しているのです。
 さらに、上場を支援する側にも変化が起きています。証券会社や投資会社がIPO部門の人員を増強して、可能性豊かな会社を積極的に発掘し始めていることがその一例です。監査法人でも「IPO業務に携わりたい」という動機で志望してくる若い人が増えている、といった変化があります。

―なぜ、そのような変化が監査法人で起きているのですか。

 当監査法人の若手メンバーに理由を聞くと「自分には起業する才覚はないけれど、起業家を支援し、日本経済の活性化に貢献したい」と言う人が多いですね。
 IPO市場の活性化を通じて経済を再建しなければ、日本が衰退し、将来が展望できなくなる…。若いメンバーだけではなく、当監査法人の会計士たちは、そうした危機感を一様にもっています。私もそのひとりです。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

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