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IPOを狙う企業特集

株式会社ネットマーケティング 代表取締役社長 宮本 邦久

ミッションは“New Value”世界への道を切り拓く

アフィリエイトエージェントというビジネスモデルを日本ではじめて確立したネットマーケティング。創業から10年を経た同社が、次なるフェーズへと力強く舵を切ろうとしている。SNSマッチングサービス事業の海外展開、そしてアフィリエイトエージェントの次に見据える新事業。さらに同社代表の宮本氏の胸には、あっと驚く将来ビジョンも秘められている。新たな価値の創造に突き進む同氏に、起業の経緯や今後の成長戦略などを聞いた。

※下記はIR通信【IPO特別号】(2014年1月10日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―起業した経緯を教えてください。

宮本:父親が自営業をやっていたので、小さなころから「食いぶちは自分で稼ぐ」という考えが当たり前になっていました。ビジネスの実力をつけようと、大学を卒業した後は大手商社に入りました。でも、すぐに「課長になるのは早くても40歳」とか、昇進のレールが敷かれている物足りなさを痛感したんです。自ら考え、自ら行動する環境とは違うなと感じていて、ずっと起業するチャンスをうかがっていたんです。そして、チャンスがめぐってきたのは28歳のとき。某大手クレジットカード会社の担当者から「もし宮本くんが独立起業するのなら、仕事は新会社のほうに発注してあげよう」と言ってもらったんです。当時、私はWebを利用した大規模キャンペーンを展開する子会社に転籍していました。キャンペーンの手法のひとつとしてアフィリエイトを活用していて、ノウハウを身につけた私を大口のクライアントが信頼してくれたのです。かねてからの思いを実現するチャンスと考え、2004年の7月、辞表を出してネットマーケティングを設立しました。

―業績は順調に伸びましたか。

宮本:いいえ。初年度こそ3億円の売上からスタートできたのですが、起業後3年目に大きな試練が訪れました。創業以来発注を続けてくれていたカード会社の担当者が退職されて、取引がなくなってしまったのです。2006年の4月から6月まで、3ヵ月連続で売上がゼロ。その後の見込みも立たない。窮地に追い込まれましたね。その3ヵ月間、必死で善後策を考え抜きました。たどり着いた結論は、アフィリエイト広告に特化して、戦略立案から運用管理までを専業で行うエージェントになること。起業して2年間培ってきたアフィリエイト広告のノウハウを活かしたのです。また、アフィリエイト市場の将来性も高いと考えたことがあります。

―アフィリエイト専業というのはめずらしい業態ですね。

宮本:ええ。お手本となるような例は海外にもありません。たとえば米国ではアフィリエイト広告の立案は出稿する企業自身が行う。だからエージェントがそもそも存在しません。国内では、アフィリエイトを利用したいクライアントとWeb上のメディアをマッチングする、アフィリエイトサービスプロバイダ(ASP)と呼ばれる企業は存在します。また、大手の総合広告代理店のように、アフィリエイトエージェントとしての業務をメニューに入れている企業はあります。私たちはアフィリエイト領域において、世界的にもリーディングポジションとなる立ち位置の会社として再スタートを切ったのです。

―新しいビジネスモデルはすぐに業績につながりましたか。

宮本:はい。再出発後の最初のクライアントは、取引を失って経営危機をもたらした大手クレジットカード会社だったんです。後任の担当者が事業の中身を理解してくれて、新たに契約を結んでくれた。人間関係ではなくアフィリエイトエージェントというビジネスモデルを評価してくれての受注。とてもうれしかったですね。

―アフィリエイトエージェントとして順調に業績を伸ばしていったんですね。その後、新たにメディア事業を立ち上げた理由はなんですか。

宮本:広告事業1本ではIPOを果たすまでに時間がかかり、かつ、上場後に市場から高い評価を受けられるとは限らない、という意見が幹部から上がってきたことです。私は創業当初からIPOを目標のひとつに掲げ、それを幹部とも共有していました。しかしエージェントのビジネスモデルは薄利。幹部メンバー全員で議論した結果、「新しい事業を立ち上げるべきだ」という結論にいたったのです。既存の広告事業は幹部の松本と靱江にまかせて、新事業の立案には私があたることになりました。創業以来、2番目の壁を迎えることになりました。

―そんな苦労を経て、新たな事業が生まれたんですね。

宮本:はい。Facebookを活用したマッチングサービスである「Omiai」を、2012年2月にリリースしました。従来のサービスと比較すると、画期的な違いがいくつもあります。まず、Facebookのプラットフォームに乗ることで、お互いの本人認証が実現できる点。これまでのマッチングサービスは誰が登録しているかわからず、不安がつきまとうのがつねでした。その点「Omiai」は、事前にFacebookのアカウントを交換して出会うことになっているので、相手がどのような人物でどういった友達がいて、どんな属性の人かが認識できるという安心感があります。また「Omiai」は、Facebook上の友達情報をシステム設計上いったん当社が預かって、相手の異性とFacebookの友達だったときにはマッチングされないように配慮するなど、プライバシーをしっかりと守れるようサービス設計を行っています。さらに、Facebookのプロフィール写真を活用することによって顔写真掲載率が飛躍的に向上。こうした先駆的な仕組みが従来にない新しい価値になっているんです。

―新事業スタート以前には社内の一体感に課題があったそうですね。それは解消されたのですか。

宮本:はい。「Omiai」は絶対に成功できると確信していたので、「広告ビジネスで得た利益をすべて新規事業に振り向ける」と宣言。社運をかける事業として位置づけたのです。その覚悟が浸透することによって、全社員の想いがひとつになることができたように思いました。メディアの構築は開発費などのコストがかかるため、赤字からのスタートでしたが、いまは順調に成長しています。累計のユーザー数は35万人を突破し、2013年12月には「Yahoo!JAPAN」と業務提携を結ぶに至ったほど高い評価を受けています。

―広告事業とメディア事業に共通することはなんでしょう。

宮本:「New Value」という当社のミッションを体現していることです。アフィリエイトに特化したエージェント事業は従来なかった新たなサービス。Facebookを活用したマッチングサービスも前例のない事業です。広告業界とメディア業界における新たな価値を創造できたと思っています。

―宮本さんはなぜ画期的なビジネスを生み出せるのですか。

宮本:それは、私自身の性格からでしょう。ある性格診断テストを受けたときのこと。20点中12点以上であれば「負けず嫌い」と判定される項目があったんです。私はなんと18点。「変態レベルの負けず嫌い」との判定でした(笑)。振り返ると、私の経営者としての強みはそこにあると思うのです。目標をひとつ決めたときに、それを達成するための執着心がかなり強いほうだと自負していますし、目の前のことに集中できる強さは人一倍だと思っています。それが広告事業やメディア事業の構築につながった原動力だといえるでしょうね。「0から1を生み出す人」と「1から10に伸ばす人」の2通りいるといわれますよね。私は間違いなく前者。一方で、創業以来のパートナーである財務責任者で副社長の長野と、事業を1から10に伸ばすことに優れた取締役の松本の2人と経営を動かしています。そうしたパートナーに恵まれ、私の性格を経営の強みとして活かすことができたのです。

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