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株式会社あしたのチーム 代表取締役社長 高橋 恭介

目前に迫る“戦後最大級” の「働き方改革」人事評価制度の整備が急務に

関係者のあいだで“戦後最大級"とも指摘される労働制度改革がいま、着々と進展している。2016年9月27日、政府は安倍首相みずからが議長となる「働き方改革実現会議」を開催。労働基準法の大幅改正を柱とする労働制度改革を国の最優先課題のひとつと位置づけ、企業の雇用慣行や労務管理に大胆なメスを入れる。では、この大改革を前に企業はいかなる対応が必要になるのか。企業の労務管理・人事戦略に詳しい、あしたのチーム代表の高橋氏への取材を通じ、その答えに迫った。

※下記はIR通信vol.5(2016年11月9日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

企業に抜本的な改革を迫る政府の「働き方改革」論議

「かつての『モーレツ社員』という考え方自体が否定される日本にしていきたい」。9月2日、安倍首相は内閣官房に設置した「働き方改革実現推進室」の開所式でこう語り、労働制度改革の本丸となる「長時間労働の是正」に強い意欲をみせた。

 終身雇用・年功序列など旧来の雇用慣行が崩壊して久しいが、いまだ企業に隠然とはびこる長時間労働の悪弊。それが永く日本経済の労働生産性向上の足かせになってきた。折しも、電通の新卒社員の自殺が9月30日付で労災認定され、10月14日には東京労働局による同社への立ち入り調査が行われた。企業の労務管理対応は緊急性が高まっている。こうした長時間労働を是正すべく、労働基準法の改正などが来年の通常国会で予定されている。

 それと並行して議論を進める「働き方改革実現会議」では、9テーマを設定。このうち「同一労働同一賃金」「労働生産性の向上」「長時間労働の是正」は企業の労務管理に抜本的な改革を迫る動きになる。

転換期を迎える企業の人事戦略

 現在、これまで時間外労働が月100時間を超えた際に実施されてきた労働基準監督署の立ち入り調査の対象を、月80時間に引き下げる動きが浮上。さらに、一定時間以上の残業を処分の対象とすることも考えられている。こうした企業を取り巻く環境変化について、あしたのチーム代表の高橋氏はこう語る。

「一連の労働制度改革によって、労務管理の重要性は間違いなく高まっていくでしょう。すなわち労務管理が、財務諸表や決算書といった経営指標では判断できない、隠れた経営リスク要因になりかねないのです。これにともない、企業人事の4大業務といわれる採用・評価・教育・労務の比重も、必然的に労務の重要性が増すなど、企業の人事戦略は大きな転換期を迎えます」

理想的な人事戦略とは

 これまでの企業の人事戦略は、採用業務の比重がきわめて高かった。高橋氏も次のように指摘する。

「近年の企業の人事部門は、大学新卒者を中心とした人材を確保するため、採用業務の予算を毎年3割拡大させてきました。しかし、昨今は売り手市場に拍車がかかり、これ以上予算をかけても人が採れない、もしくは、運よく採れてもすぐに辞めてしまう状況です。費用対効果の悪化から、採用偏重の人事戦略は見直しを強く迫られてくるのです」

 そうしたなか、「人事部門が着手すべきことこそ、人事評価制度だ」と高橋氏は指摘する。

「人事業務のなかでは評価という側面がより重要性を増します。今後は採用のみならず、優秀な人材を社外へ流出させない配慮がより必要になるからです。人材が退職する最大の理由は適切な評価がなされないこと。そのため、評価制度を整えることは人材定着に必須な要件となります。その評価制度が、人材の育成を促す教育効果や業務の改善を促す労務管理機能をもち、評価・教育・労務が相互に作用しあえば、理想的な人事戦略を推進することができます。結果として、社内外からみた会社の魅力を高め、最終的には企業の採用力の向上にもつながることでしょう」

 それでは、理想的な人事戦略はどのように実現すればいいのか。次ページ以降では、その具体的な方策について高橋氏に聞いた。

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