上場企業と投資家をつなぐ
成長企業の経営戦略が読める情報誌
上場企業インタビュー

株式会社インターワークス 代表取締役社長 雨宮 玲於奈

バブル期以来の雇用情勢好転で製造業の人手不足は解消せず

雇用情勢の好転にともない、いまや求人市場は「超売り手市場」。一方で、製造業現場での人手不足が深刻化している。大企業は好条件を提示し、人材を囲い込むが、中堅・中小企業は求める人材を確保できないというケースも多い。製造業の人手不足の背景を分析し解決策を探る。

※下記はIR通信vol.4(2016年2月2日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

国内自動車メーカーが製造現場の人材確保に奔走

 商工中金が2015年3月に発表した調査によれば、「工場や作業場での労務」「生産」現場の約4割強で人手不足という結果が出た。この調査対象はほとんどが従業員規模300人未満の中小企業だが、大手企業の製造現場でも人手不足が問題になっている。

 たとえば、昨夏、こんな見出しが新聞に躍った。「車工場、人材争奪の夏 増産へ期間従業員なお不足」(2015年8月14日 『日本経済新聞』)。この記事によれば、国内の自動車メーカーが円安を追い風に進める輸出拡大や生産の国内回帰に対して、人手不足が障壁となる可能性が高いという。そこでトヨタ、マツダ、日産は一時金や特別手当などの金銭面で充実を図り、人材の囲い込みを強めているという。

 ところで、生産現場での人手不足は自動車産業ばかりではなく、製造業全般におよんでいる。製造業の就業者数は2015年9月には992万となり、2年9ヵ月ぶりに1000万人割れとなったのだ(図1「9月の有効求人倍率」季節調整値、厚生労働省)。日本の就業人口自体が1667年の6557万人をピークに減少しているとはいえ、サービス業、小売業、医療・福祉関連、通信などの就業者数は増加傾向にある。一方、製造業の就業者数は減少傾向にあると言っていいだろう。

若者人口は今後、全人口の17.4%にまで減る見込み

 ではなぜこんなに製造業で人手不足が深刻化してしまったのだろうか。その原因を探るためにここ30年ほどの雇用情勢を振り返ってみよう。

 まず真っ先に挙げられるのは、若者人口の減少だ。全人口に占める20歳から39歳までの若者人口は、1970年の35%から2010年には25.1%へと減少しており、2060年には17.4%にまで減る見込みだという。

 次に1990年代後半から顕在化した雇用削減の動きがリーマン・ショックを契機に加速。とくに地方の工場閉鎖は相次ぎ、1983年には45万あった事業所(工場)は2012年には22万事業所まで減った。そしてリストラされた人々の受け皿となったのが飲食や宿泊というサービス産業であった(図2)。こうしたサービス産業は都市部に多く、結果、東京一極集中が進んだのだ。

 このようにして徐々に地方から働き手が減っていった。ところが製造業の工場の多くは地方にある。都市に転入した働き手が再び地方へ転居するのは、なかなかハードルが高い。雇用情勢が好転し、全国有効求人倍率はバブル期以来の高水準1.25倍(季節調整値、厚生労働省)に達したとはいえ、製造業の現場に働き手が戻る気配は薄い。そして前述したように大手企業はあの手この手で人材確保に乗り出し、ただでさえ少ないパイを奪い合っている。

 その結果、中堅・中小企業の製造現場には人手が回りにくくなってしまったのだ。

 すでに人手不足により製造業には「生産・営業時間の延長」「売上減少」という影響が顕著に現れてきており(図3)、雇用環境の悪化が懸念される。しかしその一方で「人手を増やし売上は増加」という結果も出ている。つまり雇用を増やせば、業績アップを狙えるのである。ただし、求人情報を流すにも中堅・中小企業の情報発信力には限界がある。

 そんなときに助けになるのが、人材サービスを展開するインターワークスだ。同社は製造業を中心とした求人サイトを運営し、中堅・中小企業の求人情報もすくいあげている。同社が取引社数を増やし(図4)、業績好調なのは、人手不足解消に役立っているからにほかならない。次ページから、同社の戦略を紹介する。

雨宮 玲於奈(あめみや れおな)プロフィール

1975年、神奈川県生まれ。法政大学経済学部を卒業後、2003年に株式会社リクルートエイブリック(現:株式会社リクルートキャリア)に転職。株式会社リクルートドクターズキャリア(現:株式会社リクルートメディカルキャリア)をはじめとしたリクルートグループ数社で人材サービス事業の指揮をとる。2014年1月に株式会社アイ・アム&インターワークス(現:株式会社インターワークス)取締役副社長、2014年4月に代表取締役社長に就任。

企業情報

設立 1991年3月
資本金 1億6,301万円(2015年6月現在:連結)
従業員数 183名(2015年3月時点:グループ全体)
決算期 3月末
事業内容 メディア事業、ソリューション事業、人材紹介事業
URL http://interworks.jp/

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

IR通信

IR通信

IR通信は上場企業と投資家をつなぐ「成長企業の経営戦略が読める情報誌」です。

定価:1,066円(税込)

IR通信への掲載・取材希望の方

IR通信編集部では、"成長企業の経営戦略を読む"というテーマのもと紙面に登場いただける経営者の方を募集しております。

pagetop