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上場企業インタビュー

株式会社オークファン 代表取締役 武永 修一

関連事業への積極的な資本戦略で競合不在の複合モデルを磨き上げる

ネット取引の価格情報を提供するサイト『aucfan.com』を運営するオークファン。
同社代表の武永氏に、積極的に進めている企業買収・出資戦略の背景にある新市場創出のねらいを聞いた。

※下記はIR通信vol.3(2015年8月11日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

3つの事業分野のどれかに相乗効果をもつ企業と連携する

―2015年7月1日、DeNAからBtoBマーケットプレイス事業を買収し、NETSEA(ネッシー)を子会社化するなど、企業買収・出資戦略を積極的に展開しています。背景にある意図を聞かせてください。

 私たちが展開する3つの事業の相乗効果をさらに拡大するためです。3つとはメディア、データ、マーケットプレイスです。
 これまでの主力はメディア事業で、月間ユニークユーザー1500万人を超える『aucfan.com』の課金収入が柱でした。そこで蓄積した300億件以上の商品・価格情報を活用し、企業のマーケティングに役立つソリューションを提供するなどのデータ事業を展開しています。
 さらに、『aucfan.com』ユーザーの多くがもつ「商品を仕入れたい」「卸したい」というニーズにこたえるマーケットプレイス事業も展開。今回のNETSEAはまさにその分野で一定の地位を築いていることから、買収を決断したのです。

―ほかの2つの事業と、どんな相乗効果があるのですか。

 データ事業では、これまで収集しきれなかった卸売業者と小売業者の間の取引における商品・価格データが集められる。そして、マーケットプレイス事業で新たに開拓した顧客に対し、データ事業でソリューションを提供できます。
 一方、メディア事業では事業としてネット販売を始める『aucfan.com』ユーザーへ仕入れ先を紹介でき、マーケットプレイス事業の顧客に『aucfan.com』の機能を活用し販路と価格を選択してもらえます。
 NETSEAに限らず、3つの事業のどれかと相乗効果をもつと判断したところを出資・買収先として慎重に選んでいます。

―出資先を株式上場させてリターンを得るためではないのですね。

 それは主な狙いではありません。ただし、そこに目配りはしています。証券会社の担当者にその企業をどう評価しているかヒアリングして、「株式上場できそうだ」と判断した会社だけに出資しています。

ビッグデータが創出する数兆円規模の新市場をねらう

―出資・買収戦略の推進でリソースを増強して、どんな成長戦略を描いているのでしょう。

 メディア事業は今後も着実に増収増益の見込みです。2014年の国内のネットによるBtoC取引は12・8兆円。前年比14・6%増ですが、全取引に対するネット取引の割合は10%程度で、成長の余地は大きい。『aucfan.com』事業もそのなかで伸ばしていきます。
 それにくわえて、マーケットプレイス事業とデータ事業の2つの分野で新たに創出される大きな市場をとりにいきます。
 まず、マーケットプレイス事業では「リユース×アウトバウンド」の市場に大きな可能性がある。いま、日本の中古品に対し、中国をはじめアジア新興国のニーズが高まっています。数百億円規模と見込まれるこの市場で地歩を築きたい。

―データ事業の分野で創出される新市場とはなんですか。

 PO(PriceOptimization=価格最適化)市場です。これまで経験とカンで決めていた商品・サービスの価格と在庫数を、ビッグデータを基礎に合理的に決定する取り組みのことで、米国では小売業界を中心に導入が進んでいます。早晩、日本にもこの流れはやってくる。
 企業がマーケティング・プロモーションにかけている巨大な予算がPOに置き換わるので、その市場規模は膨大です。この市場に、私たちがもつ価格ビッグデータを武器に切り込んでいきます。それによって、唯一無二のソリューションを確立し、飛躍するつもりです。

―投資家へ向けてメッセージをお願いします。

 今後、モノを所有し続けるのではなく、買ってから再販するまで利用するシェアリング・エコノミーの概念が広がっていくでしょう。一生のうちに所有できるモノが多くなり、また流通が増えることで経済も活性化していく。そのなかで私たちのビジネスも伸びていきます。ぜひ、応援してほしいですね。

武永 修一(たけなが しゅういち)プロフィール

1978年、山口県出身。2000年、京都大学法学部在学中に個人としてネットオークション事業を始める。2006年に「aucfan.com」の前身サイト「オークション統計ページ(仮)」を営業譲渡により取得。2007年、株式会社オークファンを設立。2013年、東証マザーズに上場。

IRデータ

2014年 2013年 2012年
BPS 196.84円 159.23円 68.34円
EPS 25.94円 26.77円 15.13円
自己資本比率 90.0% 90.3% 73.1%
ROA 13.4% 18.8% 18.2%
ROE 14.8% 22.0% 25.5%
従業員数 52名 39名 31名

(9月期末現在)

企業情報

設立 2007年6月
資本金 6億6,658万円(2015年3月末現在)
上場年月日 2013年4月25日(東証マザーズ)
決算期 9月末
事業内容 インターネットメディア事業
URL http://aucfan.co.jp/

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