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上場企業インタビュー

株式会社AMBITION 代表取締役 清水 剛

業界研究 不動産業界

国内の住宅の約13%が空き家になっている─。昨年夏に総務省が発表したデータは衝撃的だった。
新築住宅中心の発想を抜け出して“家あまり時代”にふさわしいビジネスモデルを考案し生き残り競争を勝ち抜くカギはどれだけ「入居者ニーズに対応できるか」になるだろう。

※下記はIR通信vol.2(2015年2月25日発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

画一的なデザインの家には住みたくない

 2014年7月。「全国に空き家が820万戸ある」と総務省統計局が発表した。少子化にともなう人口減少で住宅へのニーズが低下することは予想されていた。しかし、多くの専門家が予想したよりも速いペースで空き家が増えていることが判明したのだ。
 背景には世帯構成の変化がある。もともと国内の世帯数のピークは2015年と予想されていたが、最近の推計では2019年へと先のばしになった。夫婦と子ども世帯が減り、単身世帯や夫婦だけの世帯が増えているため、人口減少のペースほどには世帯数は減っていないからだ。
 不動産業界が新築住宅の顧客ターゲットにしている夫婦と子ども世帯が減少している。これまでの人口増加時代、不動産会社は「住宅を新築して販売・仲介する」ことが、いちばん利益が高くなるビジネスモデルをつくりあげてきた。そのもうかるビジネスの顧客が減ってしまい、住宅を新築しても、売れ残りが続出。そのため空き家が増えているのだ。
 さらに、入居者ニーズの多様化というトレンドもある。かつては新築一戸建てを購入することが幸せのひとつのカタチだった。しかしいまは違う。自分らしい暮らし方ができる住まいを「一戸建てかマンションか」「新築か中古か」「持ち家か賃貸住宅か」といった区別に関係なく見つけたい人が増えている。
 そのため、たとえばあるエリアを分譲住宅地として開発して売ろうとしても、画一的なデザインであれば敬遠されてしまう。いくら値下げをしても売れない例が増えているのだ。
 一方で、個性的なデザインの賃貸住宅や、中古住宅をニーズにあわせてリノベーションするなどの企画型の住宅は人気が高い。不動産会社には、入居者のニーズをとらえ、それにあった住まいを提案する能力が求められている。

グローバル化の進展で独特の商慣行に変革も

 国内市場が縮小していくなかで、海外進出に活路を見いだす企業も増えていくだろう。実際、大手不動産会社がアジア新興国などへ進出を加速する動きが出てきている。
 一方で、逆方向のグローバル化も進む可能性が高い。つまり、外国企業の日本市場参入だ。海外では、投資用として日本の不動産は割安と考えられている。それにもかかわらず、あまり買われないのは日本独特の不動産取引の慣習が参入障壁になっているからだ。いずれはグローバル基準にあわせざるを得なくなるだろう。
 外国企業とも競争しなければならなくなったとき、勝てる体制ができているか。不動産会社の成長性を判定するうえで欠かせない視点だ。たとえば「敷金・礼金」といった住宅の賃貸契約につきものの慣行も、日本だけのこと。家あまり時代には、こうしたオーナー側に有利な慣行は維持しづらくなる。そのうえグローバル化の時代にそぐわないのだから、将来なくなるのは間違いない。販売能力がなく更新料収入頼りの会社や、自社の管理物件がなく仲介だけが売上の柱になっている会社はサバイバルできない、ということだ。

物件の引き渡し後もフォローできる会社に勝機

 従来の不動産会社は、物件を販売・仲介してユーザーに引き渡すことを自社のサービスの本質と考えがちだった。しかし新築中心のビジネスモデルから脱却し、競合に勝つにはアフターサービスの充実が欠かせない。急増する単身世帯や高齢者世帯はセキュリティや「見守り」
などでアフターフォローを求めている。そこからさらに進んで、「住まいのことについて、いつでも相談できるかかりつけのドクター」のような存在になれれば、顧客を確保でき、成長できるだろう。次ページから2014年9月に東証マザーズに上場したAMBITION を取材。成長する企業の条件を探る。 

清水 剛(しみず たけし)プロフィール

1971年、東京都生まれ。大学卒業後、大手賃貸不動産会社に入社。100名以上が在籍する営業部において、わずか1年でトップセールスに。その後、会社の売上最高記録を叩き出し、2005年に営業部長に就任。2007年に独立し株式会社AMBITIONを設立、代表取締役に就任。賃貸管理と賃貸仲介、売買を総合的に行う不動産事業で成長を遂げ、2014年9月に東証マザーズに上場。

企業情報

設立 2007年9月
資本金 1億7,982万円(資本準備金1億3,982万円)
売上高 53億円 (2014年6月期:連結)
従業員数 110名
事業内容 不動産管理事業
不動産賃貸仲介サービス事業
不動産投資事業
不動産売買事業
URL http://www.am-bition.jp/

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